顔面神経麻痺への対応｜鹿児島県鹿児島市の整体ならコンディショニングMaroMeru

顔面神経の働きは顔の表情を作ってくれます。目を瞑ったり、笑ったり、言葉を話すときに『あ』～『お』の口の形を作ったり。顔面神経は耳の後ろ辺りの小さな穴から出て、目元、頬の辺り、顎の辺りと1本から分岐していきます。私たちは何気なく食べるとき口を動かしながらも、目はしっかり開いて周りを見るなどの分離した動きが出来ています。例えばどうでしょうか？思いっきり目を瞑ったら口元も強く結んでいませんか？大きく口を開けたら、目も大きく見開いていませんか？

本来は同じ神経経路であるので、全体が一緒に活動しがちな所を、私たちは分離して動かすことが出来ています。逆に一つの動作を思いっきりすると他の所も付随して動いてしまいます。

顔面神経麻痺によって、この分離動作が難しくなると、ついつい頑張って動かそうとしがちです。そうなると、本来は抑制してほしい部分も一緒に動いてしまい、ご飯を食べるときに目を瞑ってしまう等の共同動作を神経が新しく学習してしまいます。

顔面神経麻痺のセルフトレーニングでよくアドバイスされるのが鏡を見ながらの表情の確認です。一概にダメとは言えませんが、これはあくまでも麻痺の回復が最終段階に入ってからかなと思います。具体的には顔の表情の分離がしっかりできるようになった段階です。

なぜ、早期からしない方がいいのか。脳は同じ刺激が繰り返されると、それを学習してくれます。それは良いことも悪いことも。共同運動がバリバリに出ている状態の刺激が何度も繰り返されると、脳はそれが正常なのではと錯覚し、これまでの感覚を上書きしてしまいます。更に本来なら異常動作として扱われる動きの内、一つでも本人が納得して『これだ！！』と強く思ってしまうと、その動き・感覚が強い刺激として脳にインプットされてしまいます。脳は学習しやすいですが、同時に騙されやすいです。鏡を見て一生懸命するよりは、お笑い番組をみて何も考えずに笑っている方が自然な表情に近づけると思います。

顔のマッサージは刺激になるとは最初で言いましたが、正直やった方がいいです。ただ、狙うのはあくまでも筋肉ではなく神経です。強い刺激は神経を過敏に反応させてしまい、本来働いてほしくないところまで活性化させる恐れがあります。当店で行うマッサージとしては顔の薄皮1枚を摘まみ上げてマッサージをする程度の力加減と伝えています。よく、顔面神経麻痺では表情が乏しくなるとか、突っ張る感じがするとか訴える場合が多いですが、体感的に皮膚の遊び（緩み）が低下しているように思えます。皮膚が動くとその下を流れる血流も改善します。顔面神経麻痺は筋肉の障害ではありません。でも、皮膚が動かないと筋肉だって動けません。

病院や治療院によって治療方針は変わるかもしれませんが、リスクなく自宅での再現も可能な力加減。薄皮1枚、本当にこれくらいの力でいいの？と思えるかもしれませんが、顔面神経麻痺に対処するにはそれくらい小さい刺激でのアプローチを当店では対応させて頂いています。