ランニングという動作
走っている間、何百・何千と繰り返される足の運び、姿勢。無意識にどんな役割を果たしてるか考えてみませんか?
ランニングをケガなく続けるためには普段意識していない部分を一度理解しトレーニングする必要があります。ランニング中の姿勢や動作中の身体の役割は、その最たるものです。効率的なトレーニングをするためにも、ランニング中の身体の姿勢・役割を知っていきましょう。
ランニング中の2つのタイミング
足が地面に着いているか、離れているか
ランニングに限らず、走るという動作は基本的にこの2つの動きの繰り返しです。常にどちらか一方の足が地面に着いた状態で進んでいけば歩行、両足が地面から離れるタイミングがあるものを走行と分類されます。今回、この地面に着いた足(スタンディング)と宙に浮いた足(フロート)それぞれについて深く書いていきます。
CHECK!
スタンディング・フェーズとは? 足が地面に着いてから、再び離れるまで
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POINT01
着地の瞬間
着地の衝撃を足底のアーチが緩衝してくれます。このとき後足部の位置が崩れるとアーチ機能が上手く働かず足首や膝関節で衝撃を受け止めてしまいがちになるので理想は、第2趾が進行方向正面を向いた状態で接地することを意識してみてください。
ランニングのトレーニングで1歩を大きく出し、早く走ろうとする(オーバーストライド)では、着地後に体重を移動する際、膝関節伸展運動をするために多くのパワーが必要となり結果的に非効率な動作となりやすいです。トレーニングでは自分の身体に合った歩幅(ストライド)を探すことも重要になります。
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POINT02
着地後、中期以降=踏み込んだ時
着地直後は後足部がわずかに回内(内に捻じれる)ことがアーチの機能を引き出す為に理想だが、踏み込んだ際に過回内(オーバープロネーション)してしまうと、脛骨が内旋する姿勢となってしまう。これにより蹴り出しがブレてしまいシンスプリントや鵞足炎といったランニング障害を引き起こすリスクが高まります。アーチ機能を使うのは着地の一瞬だけ、姿勢の意識としては脛骨直下に荷重を乗せること。そして、母趾・小趾・踵骨を結ぶ足底の逆三角形をイメージし踏み込むと負担なく次の期へ動作を移行しやすいです。
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POINT03
蹴り出す直前、最も重要なポイント
ここでの重要な役割は、推進力・蹴り出し・離地を一連の流れで効率よく力を伝えていくことです。そのために地面に接地するどういう状態・姿勢にあるのかを考える必要があります。
蹴り出して推進力を得るためには、殿筋やハムストの活動を優位にし、足を前に持ち上げるのではなく足を後方に流すように使うという意識をもつことが重要です。この動きを意識することで、それぞれの接地時間が短縮され、次の足が出やすくなり足の回転(ピッチ)が速くなります。トレーニングを行う際は膝関節や股関節の動き、どうやって地面を蹴り出しているかが重要なチェックポイントです。
CHECK!
フロート・フェーズとは?
地面を蹴り出した後、身体に起きている反応
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POINT01
大腰筋を使えているか
前段階で後ろに流すような意識で蹴り出した足を振り出す為には、大腰筋の活動が重要となります。大腰筋は上半身と下半身を繋ぐ筋肉であり、走る動作においては股関節を操作してくれる筋肉になります。
この際、大腿四頭筋が優位に働いてしまうと、重心が落ちたり力みが入ったりして非効率な動きに繋がってしまいます。
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POINT02
離地~振り出し
トレーニングをする際に姿勢でチェックするポイントとして脚の振り出しの位置が上半身の真下からやや後方であることが望ましいです。この姿勢がキープできており、そこからスムーズに振り出しへと移行できると、殿筋・ハムスト(股関節伸展している状態)で生み出された推進力を大腰筋で更に加速し振り出すことができます。
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POINT03
振り出し~着地
股関節で生み出された推進力が骨盤・脊柱と伝わり胴体の動きに加速されていきます。それと同時に下腿から足部が着地に向けて移行していき、着地のタイミングでは頭から足部を結ぶ線と地面が垂直になるように体重移動が起こります。この体重移動が上手くできていないと筋力頼りの走法となりやすいため、ランニング姿勢をチェックする指標となります。
ランニング動作のバイオメカニクス 2つの動作は同時に起きている
当然ですが、ランニング動作は片脚が地面に接していれば、反対の脚は宙に浮いています。また、歩行と違い両脚共に浮いているタイミングもあります。そのため、スタンディングとフロートのフェーズは相互性があり、常に筋肉の主動筋と拮抗筋が切り替わりながら活動しています。必要なタイミングで必要な筋肉が働くON-OFFの切り替わりがスムーズに行うことで正しい運動パターンへと導かれ、無駄な動きが省かれ運動効率の向上が期待できます。
ランニングとウォーキングは動作の延長ではありませんが、スキップ動作はランニングの動きと関連性が高いです。トレーニングをする際にスキップ動作から動きを確認することは非常に効果的です。
運動周期と体幹の安定性
一連の運動を安定して起こす為には体幹の安定が不可欠になります。上肢との動作連動性や、スタンディング・フェーズにおける地面を蹴る際のコントロールの役割も担っています。また、両脚が宙に浮いている(ダブル・フロート)の段階においては、ジャンプ動作中に体幹を安定した状態で使えるかが、ランニング動作全般におけるパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。
ランニングという動作において体幹はバネの役割を果たし、不安定であればランニングエコノミーの低下に直結するといわれています。
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